中国輸入ビジネスにおいて、利益率を大きく左右するのが「国際送料」です。商品の仕入れ値がいくら安くても、送料計算を見誤ると最終的な利益が残らない、あるいは赤字になってしまうことさえあります。
「中国輸入 送料が高すぎる…」 「送料計算の方法がいまいち分からない」 「どうすれば送料を安くできるのか?」
このような悩みを持つ初心者から中級者のために、物流コストの仕組みから、プロが実践する具体的な国際送料の削減テクニックまでを徹底解説します。
なぜ中国輸入において「国際送料」が重要なのか?
中国輸入ビジネスの利益計算式は、単純に「販売価格 – 仕入れ値」ではありません。正確には以下の通りです。
利益 = 販売価格 – (商品原価 + 国際送料 + 関税・消費税 + 日本国内送料 + 手数料)
この中で、最も変動幅が大きく、工夫次第で削減幅が大きいのが国際送料です。特に初心者の方は、商品の重さ(実重量)だけで計算してしまい、届いてから請求額に驚くケースが後を絶ちません。送料を安く抑えることは、そのまま利益率の向上に直結します。
中国輸入の物流コストの構造と「送料計算」の重要ポイント
中国から日本へ商品が届くまでの物流コストは、大きく3つのセクションに分かれます。
- 中国国内送料:工場/店舗から代行業者・倉庫まで
- 国際送料:中国の倉庫から日本の空港/港まで
- 日本国内送料:日本の通関場所からあなたの手元(またはFBA倉庫)まで
これらの中で最も複雑な「国際送料」の計算ルールを理解しましょう。特に、中国輸入における航空便送料の計算方法を正しく理解することは、トラブル回避の第一歩です。
実重量 vs 容積重量:基本の計算ロジック
国際物流の送料計算には、2つの「重さ」の概念があります。
- 実重量 (Actual Weight):秤で測った実際の重さ(kg)。
- 容積重量 (Volumetric Weight):荷物の大きさ(体積)を重さに換算した数値。
配送業者は、「実重量」と「容積重量」を比較し、大きい方を適用(Chargeable Weight) して送料を請求します。これが国際ルールの鉄則です。
容積重量の計算公式(航空便・クーリエの場合)
一般的な国際クーリエ(OCS, DHL, FedEx等)では、以下の計算式が使われます。
容積重量(kg) =(縦(cm) × 横(cm) × 高さ(cm)) ÷ 係数
※物流会社により除算値が5000か6000か異なります。5000の方がより高い重量になります
【計算例】ぬいぐるみ vs ダンベル
- ぬいぐるみ(軽くて大きい)
- 実重量:2kg
- サイズ:60cm × 50cm × 40cm
- 容積重量:(60 × 50 × 40) / 5000 = 24kg
- 判定:24kgとして料金請求されます(実重量の12倍のコスト!)。
- ダンベル(重くて小さい)
- 実重量:10kg
- サイズ:20cm × 10cm × 10cm
- 容積重量:(20 × 10 × 10) / 5000 = 0.4kg
- 判定:10kg(実重量)として請求されます。
このように、送料計算の仕組みを理解せずに「軽いから送料も安いだろう」と嵩張る商品を仕入れると、痛い目を見ることになります。
輸送モード別の課金単位と計算法則(KGS / CBM / RT)
国際輸送には、航空便だけでなく船便(海上輸送)もあります。正確に中国輸入の海運コストを比較検討するためには、それぞれのモードで異なる「課金単位」を知っておく必要があります。
| 輸送モード | 主な課金単位 | 単位の意味 | 計算のポイント |
|---|---|---|---|
| 航空便 (クーリエ) | kg (キログラム) | 重量 | 実重量と容積重量の大きい方で課金。例:25kgとして計算 |
| 航空貨物 (Air Cargo) | kg (キログラム) | 重量 | クーリエと同様。ただしミニマムチャージ(最低料金)が高い場合が多い |
| 海上便 (LCL/混載) | CBM または RT | 体積または容積トン | 基本的に 1 CBM = 1000kg の基準で比較。軽くて大きいものは CBM、重いものは RT |
CBMとRT(Revenue Ton)の簡単な考え方
船便(LCL)の見積もりを見ると、「1 RTあたり $○」と書かれていることがあります。難しく聞こえますが、要するに「重さと体積、どっちか大きい方の数字で請求するよ」という意味です。
- CBM (Cubic Meter):1m × 1m × 1m の立方体。
- RT (Revenue Ton):運賃計算の基準となる単位。
【船便の計算例】 例えば、貨物サイズが 2 CBM で、重さが 500kg(0.5トン)の場合:
- 体積:2 CBM
- 重量:0.5 トン
- 結果:数字が大きい「2」の方(2 RT)で料金が決まります。
このように、送料計算の単位がモードによって変わることを理解しておくと、業者からの見積もりを正しく比較できるようになります。
国際輸送手段の徹底比較(航空便 vs 海上便)
中国輸入の送料を最適化するには、適切な輸送モードの選択が不可欠です。
| 輸送モード | 特徴 | 目安日数 | コスト感 | おすすめの利用シーン |
|---|---|---|---|---|
| 航空便(クーリエ)(OCS, DHL, FedEx) | 早い・通関もスムーズ。kg単位計算。 | 3〜5日 | 高め | サンプル発注、軽量・小物の商品、急ぎの在庫補充 |
| 航空貨物便 (Air Cargo) | クーリエより少し安いが重量制限あり。 | 5〜8日 | 中 | 100kg以上〜の中規模輸送 |
| 海上便(混載/LCL)(船便) | とにかく安いが遅い。CBM/RT単位計算。 | 14〜21日 | 最安 | 重量が重いもの、嵩張るもの、急がない大量在庫 |
| 高速船便 (フェリー) | 航空と海上の中間。 | 7〜10日 | 安い | アパレルや雑貨で、航空便よりコストを下げたい場合 |
いつ、どれを使うべき?
- 〜20kg:航空便(クーリエ)一択。船便は最低料金(ミニマムチャージ)があるため逆に高くなります。
- 21kg〜100kg:航空便がお得になるライン(後述)。高速船便も視野に。
- 1CBM(約300kg相当)以上:海上便(船便)を検討。国際送料を劇的に下げられます。
確実に「国際送料を安く」する4つの実践的戦略
ここからは、明日から使える具体的な国際送料の削減テクニックを紹介します。
「21kgルール」を活用する
多くの中国物流代行業者やクーリエ便では、総重量が21kgを超えると1kgあたりの単価がガクンと下がる料金体系を採用しています。
- NG例:5kgの発注を4回に分けて送る(単価が高い × 4回)。
- OK例:まとめて20kg〜21kg以上にして1回で送る(単価が安い × 1回)。
小ロット発注の場合でも、できるだけまとめて21kgを超えるように調整するのが、送料を安くする基本テクニックです。
容積重量を減らす「圧縮・再梱包」
アパレルやぬいぐるみなど、空気を含んで嵩張る商品は、代行業者に依頼して「圧縮袋」を使ってもらいましょう。また、中国のサプライヤーは過剰に大きな箱で送ってくることがあります。「無駄なスペースをカットして再梱包(リパッキング)」してもらうだけで、容積重量が30%削減できることも珍しくありません。
重量・物量ごとのシミュレーション表を作る
自分の扱う商品のボリュームゾーンに合わせて、最適な配送方法を把握しておきましょう。
| 発送重量 | おすすめ配送方法 | 1箱あたりのコスト感(概算) |
|---|---|---|
| 〜1kg | 郵便(eパケット等) | 割高だが、単品なら最安 |
| 10kg | OCS / DHL | まだ割高。急ぎの在庫補充向け |
| 21kg〜 | OCS / 流通王などのクーリエ | コストパフォーマンス良(割引適用ゾーン) |
| 200kg〜 | 海上便(LCL) | 圧倒的に安い(納期はかかる) |
適切な物流代行業者から相見積もりを取る
代行業者によって、得意な配送ルートが異なります。ここで重要になるのが、適切な国際送料の見積もりの取り方です。 単に「安くして」と言うのではなく、以下のように具体的に問い合わせましょう。
- 「今回のアパレル商品は容積がかさむので、容積重量計算が有利なルートはありますか?」
- 「月に300kg送る予定ですが、ボリュームディスカウントはありますか?」
- 「船便を使う場合、ミニマムチャージ(最低料金)はいくらですか?」
複数の業者から見積もりを取り、自社の商品特性に合ったレートを持っている業者を選定しましょう。

中国輸入送料 最適化チェックリスト
発注を確定する前に、以下の項目をチェックしてください。
- 容積重量の確認:商品の3辺サイズを把握し、実重量と比較しましたか?
- 課金単位の確認:利用予定の便は kg計算ですか? CBM計算ですか?
- 21kgの壁:あと少し商品を追加すれば21kgを超えて、単価が下がりませんか?
- 梱包オプション:圧縮や箱のカットを依頼しましたか?
- 配送モードの選択:納期の許容範囲内で、より安い(船便などの)方法は選べませんか?
- トータルコスト試算:関税・国内送料を含めたLanded Costで利益が出ていますか?
- 直送 vs 倉庫:FBA倉庫へ直送するのか、自宅に送るのか、国内送料も含めて計算しましたか?
まとめ:正しい知識で利益を最大化しよう
中国輸入の送料は、ビジネスの経費そのものです。「なんとなく」で支払っている送料を見直すだけで、純利益が数万〜数十万円変わることも珍しくありません。
- 実重量と容積重量、そしてCBM/RTの計算ロジックをマスターする。
- 荷物をまとめて21kg以上を目指す。
- 商品の特性(重さ・大きさ・納期)に合わせて船便と航空便を使い分ける。
これらを意識して送料計算を厳密に行い、賢く送料を安く抑えることで、中国輸入ビジネスの競争力を高めていきましょう。
まずは、次回仕入れ予定の商品の「箱のサイズ」を測ることから始めてみてください。
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