古物商許可完全ガイド|中国輸入せどりで許可が不要なケース/必要なケースを実務視点で徹底解説

【この記事はこんな方におすすめです】
  • これから中国輸入せどりを始めたい初心者の方
  • 古物商許可の要否判断を正確に知りたい方
  • メルカリ/ヤフオク/ネットショップ運営で許可の有無を整理したい方
  • せどり/転売ビジネスの実務リスクを事前に把握したい方

中国輸入せどりやメルカリ転売でよくある疑問が、「古物商許可は必要なのか?」という点です。「中国から新品を輸入するだけなら不要と聞いた」「メルカリで売るだけなら大丈夫らしい」こうした情報は一部正しいものの、条件を誤解したまま営業すると、無許可営業として処罰対象になるリスクがあります。

結論から言えば、判断基準は単に「新品か中古か」ではなく、どこで仕入れたか(国内・海外)、そして営利目的で反復継続して販売しているかにあります。

特に中国輸入では、国内仕入れを一部でも組み合わせた場合や、輸入代行業者が売主となる取引形態など、気づかないうちに許可が必要になるケースも少なくありません。

本記事では、中国輸入せどりや転売ビジネスにおける古物商許可の定義から、具体的に許可が「不要なケース」と「必要なケース」の違い、さらにはメルカリなどのプラットフォームごとの判断基準までを、実務的な視点で徹底解説します。

目次

古物商許可とは何か

古物商許可の定義と目的

古物商許可とは、「古物営業法」 に基づき、古物(中古品)を業として売買または交換する場合に必要な許可のことです。この許可は、営業所を管轄する都道府県公安委員会(窓口は警察署)から取得する必要があります。

古物営業法の主な目的は、「盗品の売買防止」「盗品の速やかな発見」 です。中古品市場には盗難品が紛れ込むリスクがあるため、警察は「誰が、いつ、どこから、何を仕入れて売ったか」を把握できる事業者を許可制で管理しています。

古物営業法

古物商許可での「13品目」

日本の古物営業法施行規則では、中古品として取り扱われる物品は次の13の区分(品目)に分類されています。

  1. 美術品類 絵画・書・彫刻・工芸品など、鑑賞的価値を持つ物品が該当します。
  2. 衣類 洋服・和服・布団・帽子・旗など、身に纏うものやそれに類する繊維・革製品が含まれます。
  3. 時計・宝飾品類 時計・眼鏡・宝石・アクセサリー・貴金属類など、美的特徴や装飾性のある物品。
  4. 自動車 自動車本体だけでなく、タイヤ・ナビ等の部品も含まれます。
  5. 自動二輪車及び原動機付自転車 バイク・原付・その部品類も対象です。
  6. 自転車類 自転車本体、空気入れ・かご・カバー等の関連部品。
  7. 写真機類 カメラ・ビデオカメラ・望遠鏡・双眼鏡など光学機器が該当します。
  8. 事務機器類 パソコン・コピー機・FAX・レジスター等の事務用機器。
  9. 機械工具類 家庭電化製品・ゲーム機・工具・電動機械など幅広い機械器具。
  10. 道具類 家具・楽器・玩具・日用雑貨・CD/DVDなど、他品目に該当しない一般物品。
  11. 皮革・ゴム製品類 バッグ・靴など革製品・ゴム製品。
  12. 書籍 本・雑誌などの出版物。
  13. 金券類 商品券・乗車券・郵便切手等の証票類。

無許可営業のリスク(法的罰則)

もし、古物商許可が必要な取引を無許可で行った場合、「古物営業法違反(無許可営業)」となります。

  • 3年以下の懲役 または 100万円以下の罰金(もしくはその両方)

これは非常に重い刑罰であり、一度処罰されると、その後5年間は古物商許可を取得できなくなります。ビジネスを継続的かつ安全に行うためには、正しい知識に基づいたコンプライアンス遵守が不可欠です。

中国輸入せどりにおいて古物商許可が不要なケース

古物商許可の要否判定フロー

一般的に、すべての「せどり」や「転売」に古物商許可が必要なわけではありません。特に中国輸入せどりにおいては、日本の古物営業法が適用されないケースが存在します。

海外から「新品」を輸入して販売する場合

中国のアリババ(Alibaba)やタオバオ(Taobao)などのECサイト、または現地の工場・卸業者から 「新品」 の商品を仕入れて、日本国内で販売する場合は、古物商許可は不要です。

これは、古物商許可があくまで「中古品(一度消費者の手に渡ったもの)」を対象としているためです。メーカーや卸売業者から直接仕入れる新品は「古物」に該当しません。

海外から自ら「中古品」を直接買い付けて輸入する場合

ここが多くの誤解を生むポイントですが、事業者が自ら海外へ渡航し現地で中古品を買い付ける、あるいは海外のECサイトから直接輸入して、それを日本国内で販売する場合、原則として古物商許可は不要とされています。

【理由】 日本の古物営業法は属地主義(日本の領土内での法律適用)をとっており、「海外での買い付け行為(仕入れ)」には日本の法律(古物営業法)が適用されないからです。日本国内での「盗品流通防止」という法の目的から見ても、海外での取引は管轄外となります。

注意
この判断は実務上、管轄の警察署の担当者によって解釈が異なる場合があります。トラブルを避けるため、事業開始前に必ず所在地の警察署へ具体的なスキームを相談することを強く推奨します。

個人の不用品をメルカリ等で売却する場合

ビジネス(営利目的)ではなく、自宅にある不要になった私物(着なくなった服、読み終わった本など)をメルカリやヤフオクで売る行為は「営業」ではないため、古物商許可は不要です。ただし、あまりに大量かつ反復して販売する場合は「業(なりわい)」とみなされる可能性があります。

中国輸入せどりで古物商許可が必要なケース

一方で、中国輸入ビジネスやせどりを行っているつもりでも、仕入れのルートや販売形態によっては古物商許可が必須となるケースがあります。

日本国内で中古品を仕入れて転売する場合

中国製品であっても、日本国内のリサイクルショップ、メルカリ、ヤフオク、国内の卸業者などから「中古品(または新古品)」を仕入れて転売する場合は、古物商許可が必要です。

  • 例: 日本国内のAmazonで安くなっている中国製品(未開封の中古扱い品など)を仕入れ、別のプラットフォームで売る場合。

これは「国内での古物の買い取り・仕入れ」が発生しているため、完全に法の適用範囲内となります。

輸入代行業者や商社が「売主」となる場合

海外から輸入する場合でも、間に日本の輸入代行業者や商社が入り、「その日本の業者から商品を買い取る」 という契約形態になる場合は注意が必要です。

もしその取引が「日本国内での売買」とみなされ、かつ対象商品が中古品(アンティークやヴィンテージ品など)であれば、国内取引として古物商許可が必要になる可能性があります。インボイス(請求書)の発行元が国内法人か海外法人かを確認することが重要です。

「転売目的」で購入した商品の販売(新古品含む)

たとえ「新品(未開封)」として売られていた商品でも、一度消費者の手に渡ったものは、古物営業法上では「古物」とみなされます。

  • 国内せどり(メルカリせどり等): メルカリ等で「新品未使用」として出品されている商品を仕入れて、Amazonで転売する場合。

この行為を「営利目的で」「反復継続して」行う場合は、古物商許可が必要です。

メルカリせどり・その他プラットフォームの古物商許可判断

販売するプラットフォームによっても、古物商許可の提示や規約が異なります。

メルカリ(Mercari)での販売

メルカリは元々CtoC(個人間取引)のアプリですが、近年は業者の参入も増えています。

Amazon・楽天市場・ヤフオク!

これらのプラットフォームは、ビジネス利用の基準がより明確です。

  • Amazon: 「中古」コンディションで出品する場合、古物商許可番号の登録や表示を求められるケースが一般的です。Amazonの規約上、許可証の写しを提出しないと出品権限が制限されるカテゴリーもあります。
  • ヤフオク!: 「ストア出品」として中古品を扱う場合、古物商許可の表示が義務付けられています。

ポイント: ネット上で古物取引を行う場合、特定商取引法に基づく表記とともに、「古物商許可番号」をサイト上に掲示する義務(URL届出)があります。

補足
プラットフォームのポリシーにより、許可番号の表示要件や提出書類の基準は異なります。必ず最新の出店者規約(マーチャントルール)を参照してください。

典型業務シーン別合規判定一覧表

中国輸入せどりや転売ビジネスにおける典型的なシーンと、許可の要否をまとめました。ご自身のビジネスモデルと照らし合わせてください。

業務シーン(ビジネスモデル)古物商許可判定理由
中国メーカー/工場から新品を輸入・日本で販売不要新品仕入れは古物に該当せず、古物営業法の対象外ため。
海外(中国等)で自ら中古品を買い付けて輸入・販売不要買付け行為が海外で行われ、日本国内での古物売買とみなされないため。
国内リサイクルショップ等で中古品を仕入れて転売必要国内で中古品の買い取り・転売を行う古物営業に該当するため。
メルカリ/ヤフオクで仕入れた中古商品をAmazonで転売必要日本国内で仕入れた中古品を反復・営利目的で販売する場合、古物商営業となるため。
国内の輸入代行業者から中古品を買い取って販売要確認取引相手が日本国内の業者であり、国内取引とみなされる可能性があるため。
個人の不用品をメルカリで単発販売不要営利目的・反復性がなく、業としての古物取引に該当しないため。
中国輸入商品をネットショップで一括販売(新品)不要海外から仕入れた新品の販売は古物営業法の対象外。
中古輸入品を国内の卸→ショップで仕入れて販売必要国内で仕入れた中古品の販売が行われるため、古物商許可が必要。

上記は一般的な解釈です。詳細な判断は管轄の警察署にご確認ください。

古物商許可申請フローと注意事項

古物商許可申請手続きのステップ別フローチャート

中国輸入だけでなく、国内での買取販売も視野に入れている場合は、早めに取得することをおすすめします。

申請先

営業所(自宅兼オフィスの場合は自宅)の所在地を管轄する警察署の「生活安全課」(防犯係)です。

申請の流れと費用

  1. 要件確認: 欠格事由(犯罪歴など)がないか確認。
  2. 書類収集: 住民票、身分証明書、誓約書、略歴書、定款(法人の場合)、賃貸契約書のコピー(使用承諾書)など。
  3. 申請書の作成: 警察署で入手またはDL可能。
  4. 提出・手数料納付: 警察署へ持参。申請手数料は19,000円(不許可でも返還されません)。
  5. 審査: 標準処理期間は約40日

警視庁:古物商許可申請の手続き

外国人・法人が申請する場合の注意

  • 外国人の方: 在留資格が必要です。「経営・管理」「永住者」「日本人の配偶者等」など、就労制限がない、または営業活動が認められる資格である必要があります。
  • 法人申請: 監査役を含む役員全員分の書類が必要です。また、定款の「事業目的」欄に「古物営業を行う」旨の記載が入っているかがチェックされます。

審査のポイント

主に「過去に犯罪歴がないか」「住居・営業所が実在するか」「管理者が常駐できるか」等が審査されます。

古物商許可以外に中国輸入せどりで必要な許可

中国輸入ビジネスでは、扱う商材によって古物商許可とは別に、製品安全や衛生に関する法律に基づく許可や届出が必要になる場合があります。

PSEマーク(電気用品安全法)

コンセントに繋ぐ家電製品、モバイルバッテリー、リチウムイオン電池などを輸入販売する場合に必要です。技術基準の適合確認と届出が必須であり、違反すると販売停止となります。

食品衛生法

食器、カトラリー、乳幼児向けのおもちゃ(口に入れる可能性があるもの)などを輸入する場合、「食品等輸入届出書」を検疫所に提出し、検査を受ける必要があります。

薬機法(旧薬事法)

化粧品、美容器具(医療機器に該当するもの)、サプリメントなどを輸入販売する場合、非常に厳しい許可(化粧品製造販売業許可など)が必要です。初心者が個人輸入してメルカリ等で売ることはリスクが高いため推奨されません。

よくある質問(FAQ)

中国輸入せどりや古物商許可に関して、事業者の方からよく寄せられる質問をまとめました。

メルカリ/Amazon/楽天市場/ヤフオク!で稼ぐには古物商許可は必要ですか?

個人の不用品を売るだけなら不要ですが、営利目的で中古品を仕入れて反復継続して販売する(いわゆる「せどり」)場合は、原則として必要です。

古物商の資格は自宅でも取れますか?

はい、自宅を営業所として申請することは可能です。ただし、賃貸物件や分譲マンションの場合、管理規約や賃貸契約で「営業不可(住居専用)」となっていると許可が下りないことがあります。その場合、オーナーや管理会社からの「使用承諾書」が必要になります。

古物商許可を取るのにいくらお金がかかる?

警察署へ支払う申請手数料が19,000円(不課税)かかります。行政書士に代行を依頼する場合は、別途4万〜6万円程度の報酬が発生します。

古物商の資格は何年有効ですか?

運転免許証のような更新制度はなく、一度取得すれば原則として無期限(一生有効)です。ただし、管理者や住所の変更があった場合は届出が必要で、6ヶ月以上営業実態がない場合は返納義務が生じます。

海外輸入の中古品はすべてのケースで許可不要ですか?

すべてではありません。「海外現地で自ら買い付ける」場合は不要ですが、日本の輸入代行業者を通して仕入れる場合や、その取引が「国内売買」とみなされる契約形態の場合は、許可が必要になる可能性があります。

まとめ

中国輸入せどりにおいて、古物商許可が必要かどうかは 「どこから仕入れるか」「新品か中古か」 によって明確に分かれます。

  • 中国から新品を直輸入するだけなら、原則「不要」。
  • 国内仕入れ(せどり)を組み合わせるなら、「必要」。

しかし、ビジネスを拡大していく中で、返品された商品を中古品として再販したり、商流を広げて国内買取を行ったりする可能性は十分にあります。古物商許可を持っていることは、購入者やプラットフォームに対する「信頼の証(社会的信用)」にもつながります。

「バレないだろう」という安易な判断で無許可営業を行うことは、逮捕やアカウント停止などの致命的なリスクを伴います。迷った場合は、最寄りの警察署や行政書士などの専門家に相談し、クリーンで長期的に継続できるビジネス体制を構築しましょう。

中国輸入せどり初心者の方へ

この記事では、中国輸入せどりに関する古物商許可の基本と判断基準をわかりやすく解説しました。
まだせどりを始めたばかりの方は、基本的なポイントをまず正しく理解することが重要です。
今後の仕入れ計画や販売戦略を考える際の参考として、他の記事や関連資料もぜひチェックしてみてください。
あなたの中国輸入せどりの一歩が、より安全で確実なスタートとなることを願っています。

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