物流コストに利益を奪われないために。
この記事の目次

AliExpressの荷物を追跡できずに不安を感じたことはありませんか? あるいは、予測不能な物流コストが利益を圧迫してしまったことは?
越境ECにおいて、効率的かつコストを抑えた物流は成功のカギです。 本記事では、アリエクスプレスの配送追跡の完全ガイドを詳しく解説し、さらに、物流費用を最適化する実践的なテクニックをご紹介します。
これにより、大量注文の中でもコストを的確にコントロールし、顧客満足度を高めながら、店舗の売上を継続的に伸ばすことが可能になります。
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1 物流費用

1.1 費用の内訳
越境物流において、コストは複数の要素が積み重なって構成されています。 それぞれの項目を理解することで、費用を科学的に管理し、最適な配送プランを組むことが可能になります。主な構成要素は以下の通りです。
梱包費
商品の梱包資材、ラベル、保護材などを含みます。 梱包サイズや重量を適切に抑えることで、輸送コストを直接的に削減できます。 ただし安全性を損なわないよう、破損防止とのバランスが重要です。 体積が1立方メートルに満たない場合でも、最低1立方メートル分として計算されるケースが多く、軽くてもかさばる荷物は高額になる傾向があります。 また、パレットや梱包資材も体積計算に含まれるため、コスト増につながる点に注意が必要です。
国際輸送費
出荷元から日本までの幹線輸送にかかる費用で、航空便または海上便が主な手段です。 重量・体積・輸送方法(航空便=速いが高い、船便=遅いだが安い)によって料金が異なります。 商品の価値や納期要件に応じて最適な輸送手段を選定することで、不要なコストを抑えることができます。
国内配送費(日本国内)
通関後、日本国内の配送業者(日本郵便・佐川急便・ヤマト運輸など)が最終配達を行います。 離島や僻地、スピード指定、受取方法(自宅配送・コンビニ受取)によって追加料金が発生する場合があります。
通関費用
日本入国時に必要な関税・通関手数料・税金などを指します。 近年では、AliExpressなど一部のECプラットフォームが注文時に消費税やVATを自動徴収し、そのまま自動通関されるケースもあります。 事前に正しい品目・金額を申告することで、通関遅延や追徴課税を防ぐことができます。
保険料
高額商品や壊れやすい商品の補償に関する費用です。 高単価商品・精密機器・割れ物などは必ず保険加入をおすすめします。 一方で、低価格商品については保険費用が利益を圧迫する場合があるため、商品特性に応じて判断しましょう。
1.2 AliExpressの主な配送方法
AliExpressでの配送スピードは、「出品者の出荷処理時間」と「選択した配送サービス」の2つの要素で決まります。
標準配送はコストとスピードのバランスが良く、最も利用されている基本オプションです。 納期に余裕がある場合はコストを抑える最適な選択肢となります。 より早く商品を受け取りたい場合は、有料の「プレミアム配送」を選ぶことで、航空便などの高速ルートに優先的に切り替わります。
特に日本向け配送では、ルートや季節によって送料差が大きいため、 注文確定前に必ず配送方法ごとの「送料」「配達予定日」を確認しましょう。
| 配送方法 | 配送期間 | 特徴 | 適した利用シーン |
|---|---|---|---|
| AliExpress Standard Shipping | 約15〜45日 | コストパフォーマンス重視、最も一般的 | 一般的な商品、納期に余裕のある注文 |
| AliExpress Premium Shipping | 約7〜15日 | 最短で到着、やや高額 | 急ぎ・高額・ギフト用途 |
| ePacket(E郵宝) | 約10〜20日 | 軽量小包向け、早く安い | 小物・軽量品・低コスト配送 |
| 中国郵政航空書留便 | 約20〜60日 | 最安値、納期は長め | 非急ぎ・低単価SKU向け |
| DHL / FedEx / UPS | 約3〜10日 | 最速・高品質・高額 | 高価値商品・緊急出荷・B2B用途 |
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1.3 中国から日本への主な運賃目安
| 区分 | チャネル | 料金目安 | 配送日数 | 特徴・メリット |
|---|---|---|---|---|
| 国際宅配便 | DHL | 0.5kg 96元、追加0.5kgあたり約24元(1kg=96元/2kg=136元/5kg=258元) | 2〜5日 | 通関力が高く、電子機器・ブランド品にも対応 |
| 国際宅配便 | FedEx | 21kg未満は0.5kg単位(10kg=316元/25kg=約24元/kg) | 1〜5日 | 大口出荷に有利 |
| 国際宅配便 | UPS | 21kg未満は0.5kg単位(10kg=496元/25kg=約29.4元/kg) | 2〜5日 | 安定性が高い |
| 中国郵政 | EMS国際特急便 | 0.5kg 109元、追加0.5kg 24元(1kg=133元/5kg=142元) | 4〜12日 | 体積重量無視、食品・書籍可、通関強い |
| 中国郵政 | E郵宝(ePacket) | 50g 15元、追加1kgあたり40元(上限80元/包) | 7〜15日 | 最大2kg、小物軽量品に最適 |
| 専線物流 | 日本専線 | 0.5kg 54元、追加0.5kg 21元(3kg=96元) | 3〜6日 | コスパ良好、小型一般貨物に安定 |
| 専線物流 | 海運/船便 | 約10元/kg | 15〜30日 | 大型・非緊急品に最適 |
1.4 輸送手段と利用シーン別の適性
物流コストは常に変動しており、正確な金額はリアルタイムのシステム見積もりによってのみ確定します。 ここでは、各配送カテゴリの特性とコスト構造を整理します。
経済型(低コスト重視)
- 代表ルート:AliExpress Standard(簡易版)/菜鳥スーパーエコノミー/中国郵政平郵小包
- 特徴:
- 最安だが非常に遅い(30〜60日以上)
- 追跡は限定的または無し
- 紛失率が高い
- 適用シーン:
- 低価格・軽量商品(例:ステッカー、小物など)
- 試作品テストや新店舗の運用初期
- 課金方式:重量単位(g)で計算、手数料は低い
標準型(バランス型)
- 代表ルート:AliExpress Standard Shipping/ePacket/中国郵政書留小包
- 特徴:
- コスト中程度、安定した納期(15〜30日)
- 全行程追跡可能
- 紛失・破損時の補償が容易
- 適用シーン:
- 一般的な価格帯(750〜7500円程度)
- 顧客が追跡を求める場合
- 課金方式:
- 追跡番号費+重量単位で課金
高速型(スピード重視)
- 代表ルート:DHL/UPS/FedEx/EMS
- 特徴:
- 高額だが最速(3〜7営業日)
- 通関力が強く、追跡精度が高い
- 紛失率が極めて低い
- 適用シーン:
- 高価値商品(電子機器、ジュエリーなど)
- B2B補充や高利益商材
- 課金方式:
- 0.5kg単位の階段式課金(首重+続重)
商品の価格帯や顧客の納期要件に応じて、標準型と高速型を使い分けることが利益最大化につながります。
1.5 注意点
物流方式を選ぶ際は、単に運賃だけを見るのではなく、関税・体積重量・時期による遅延リスク・取り扱い可能な商品種別など、複数の要素を総合的に判断する必要があります。
- 関税と通関:EMSや専線は通関実績が多く、食品や医薬品などの敏感商材も比較的スムーズ。
- 体積重量:一部ルートでは「体積重(長×幅×高÷6000)」を採用。軽くてもかさばる場合は要注意。
- 時期変動:海運は天候に影響されやすい。EMSや航空便は比較的安定。
- 敏感貨物:薬品・電池・化粧品などはEMSを推奨。
「体積重(長×幅×高÷6000)」が実重量より大きい場合、料金は体積重に基づいて計算されます。軽くてもかさばる商品(例:クッション、発泡スチロール)は高額になるため、梱包の最適化が必須です。
より具体的な計算方法や、コストを最適化するための梱包戦略については、以下の関連記事で詳しく解説していますので、併せてご確認ください。
2 物流配送と追跡

2.1 AliExpress配送のステージ
アリエクスプレスでの注文は、「注文〜到着」まで複数の段階を経て進行します。 それぞれのフェーズを理解しておくことで、遅延や紛失トラブルの原因を的確に判断できます。
注文処理(出荷準備)
支払い完了後、出品者が商品を検品・梱包します。通常7〜10営業日ほど。 追跡情報には「発送待ち」または「発送済み」と表示されます。 出品者が規定期間内に発送しない場合、注文は自動キャンセルされ返金されます。 → 顧客には「出荷予定日」を明示しておくことで、クレームを防止できます。
発送(出庫〜中国国内輸送)
出品者から運送業者に引き渡され、中国国内の集荷センターを経由し、国際出発拠点(空港・国際郵便交換局など)へ送られます。 税関にて輸出申告を経て、出国します。 追跡表示例:「荷物を引き受けました」「輸出通関中」「原産国を出発しました」 → この段階では情報更新に数日かかることもあります。
国際輸送(空運・海運・鉄道)
中国から日本までの実際の移動区間。 追跡情報は「輸送中」「航空便出発」など簡易的な表示になる場合があります。 海運や積み替え待機中は情報が一時的に止まることもあります。
到着・輸入通関(日本税関)
日本到着後、税関での検査・課税・通関手続きが行われます。 追跡例:「到着済み」「通関中」「目的国の税関に到着しました」など。 アリエクスプレスで消費税・VATがすでに徴収済みの場合、多くは自動的に通関され、購入者側での手続きは不要です。 → ただし、商品内容や申告金額に不備がある場合は通関遅延の原因になります。
日本国内配送(最終配達)
通関完了後、日本郵便・ヤマト運輸・佐川急便などに引き渡されます。 以降は国内宅配と同様の流れで配送され、「発送センターに到着」「配達中」「お届け済み」などのステータスが表示されます。
2.2 追跡番号の種類
AliExpressの追跡番号は大きく分けて「数字のみ」と「英字を含む」2種類があります。
数字のみ(12桁など) の番号は、中国国内の物流管理システムで生成されており、 日本郵便やヤマト運輸、佐川急便などの国内システムとは連携していません。 そのため、日本に到着するまで日本国内サイトでは追跡できないケースが多く見られます。
| 番号の始まり | 桁数 | 主な用途 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 50 | 12桁 | 中国国内物流/一部国際便 | Espobin、Alpacなど第三者配送 |
| 49 | 12桁 | 中国国内小包向け | 直行便・特定航路で利用 |
| 36 | 12桁 | 格安・追跡なし便 | 情報更新が遅い傾向 |
| 48 | 12桁 | 中国→日本の経済航路 | AliExpress経済配送などに多い |
英字を含む番号(例:LP123456789CN、EJ123456789CNなど)は、国際郵便や標準配送に多く、 日本国内配送業者の追跡システムとも連動しています。
| 形式 | 主な用途 | 追跡可能性 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 数字のみ(12桁) | 格安便・軽量小包 | 追跡情報が不安定/一部区間のみ更新 | 中国本土の低コスト物流が中心で、トラッキング更新が安定しない傾向があります。 |
| LP+数字 | 標準配送(AliExpress Standardなど) | 日本郵便・ヤマト運輸で追跡可能 | 比較的安定しており、越境ECでは一般的な追跡番号形式として広く利用されています。 |
| CNG+数字 | 国内/越境混載ルート | 利用ルートや提携業者により異なる | 低価格帯のルートや混載便でよく使われ、全区間の更新が保証されない場合があります。 |
| E+数字+CN | EMS/書留便 | 全行程追跡可 | 万国郵便連合(UPU)に基づく配送方式で、日本郵便のシステムでも全区間の追跡が可能です。 |
2.3 追跡方法
AliExpress公式での確認
- アカウントにログインし、「注文詳細」ページから追跡番号を確認できます。
- 配送通知メールにも追跡リンクが添付されています。
その他の追跡サイト・アプリ
国際配送を確認できる便利なツール:
- Cainiao(菜鳥)
アリババグループ提供。アリエクスプレス・タオバオ・天猫など複数プラットフォームの荷物を一括管理可能。 - 17TRACK
世界2800以上の運送会社に対応。最も多く利用されるグローバル追跡サイト。 - AfterShip
DHL・UPS・FedExなど主要国際キャリアを網羅。日本語表示にも対応。 - China Post(中国郵政)
中国国内の追跡専用。EMS・航空書留便などの番号に対応。中国語と英語のみ対応しています。
日本国内での追跡:
荷物が通関後に日本国内配送業者へ引き渡されると、新しい国内追跡番号が付与される場合があります。
- 英字付き番号(例:EJ〜CN) → 日本郵便サイトで直接追跡可能
- 数字のみの番号 → 国内業者が新しい番号を再発行するケースあり
- 不明な場合 → 出品者またはAliExpressサポートに問い合わせ、末端配送業者の番号を確認しましょう。
2.4 追跡できない時の原因と対処法
まだ発送されていない場合
出品者が発送処理を行っていない状態です。アリエクスプレスでは7〜10日以内に発送しないと自動キャンセルされます。 → 対策:注文ページで「発送済み」表示を確認。未発送なら出品者へ連絡。反応がない場合は返金申請を。
国際輸送・転送中
飛行機待ち・積み替え中などで更新が止まっている可能性。 → 対策:5〜10営業日待って再確認。それでも更新がない場合はサポートへ問い合わせ。
税関での保留
商品内容・金額の不備、高額品や電化製品、薬品類で検査対象になっているケース。 → 対策:税関や配送業者の通知を確認し、必要に応じて申告や税金支払いを行う。 10日以上動きがない場合は配送業者へ確認を。
天候・自然災害による遅延
台風・雪・地震などによるフライト停止・港湾混雑などが影響。 → 対策:公式情報や配送会社のアナウンスを随時確認。
繁忙期による遅延
ブラックフライデー・ダブル11・クリスマス・正月・ゴールデンウィークなど、物流量が急増する時期。 → 対策:ePacketやEMSなど上位配送を選択し、出荷を早めに計画する。
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3 Q&A:越境物流に関するよくある質問と対策

Q: 追跡番号はいつから更新されますか?
A: 通常、プラットフォーム上の販売者が出荷してから24〜72時間以内に、追跡番号の動きがシステム上に反映されます。 荷物は集荷・仕分け・輸出通関といった工程を経る必要があるため、この期間に一時的に「更新なし」となるのは正常な現象です。 もしAliExpressの定める発送期限(通常7〜10日)を過ぎても出荷が完了しない場合、システムが自動的に注文をキャンセルし、返金が行われます。 出荷から3日経過しても追跡情報が反映されない場合は、販売者に連絡して運送会社に引き渡したか確認してください。 販売者が説明できない場合は、注文ページから「紛争(Dispute)」を申請し、返金手続きを行うことができます。
Q: B2BとB2Cの貨物では、通関手続きは同じですか?
A: いいえ、B2BとB2Cでは通関プロセスが大きく異なります。 B2C(個人向け)荷物は、郵便ルートや越境EC専用の簡易通関ルートで処理されることが多く、手続きが簡略化され、税金もシステム上で事前決済されるケースが一般的です。 一方で、B2B(企業間取引)貨物は商業取引として扱われるため、商業インボイス・パッキングリスト・原産地証明書などの正式書類が必要です。 また、輸入側企業は法人資格および日本のインボイス番号(税番号)を保有していなければなりません。 資格がない場合、貨物は港で滞留または返送される可能性があります。 定期的に出荷する越境事業者は、DHL・FedEx・EMSなど正式な通関資格を持つ配送ルートを利用するか、専門の通関代行会社に委託することで、法令遵守と通関効率を確保できます。
Q: 荷物が「紛失」なのか「情報更新の遅延」なのか、どう判断すればよいですか?
A: 「情報更新の遅延」は、荷物がまだ輸送途中でありながら追跡情報がシステムに反映されていない状態を指します。 一方、「紛失」は配送ルート上で荷物が行方不明になり、追跡が不可能な状態を意味します。 判断のポイントは、時間とステータスの推移にあります。 ステータスが「輸送中」や「原産国を出発しました」のまま7〜10日以上更新されない場合でも、配送予定期間内であれば多くはシステム遅延です。 しかし、予定配送期間を大きく超えても更新がない場合は、紛失の可能性が高いと考えられます。 その際は、追跡画面のスクリーンショットを保存し、販売者またはプラットフォームに返金・補償を申請してください。
Q: 返品や再発送の費用は誰が負担しますか?
A: 越境取引では返品コストが高いため、責任の所在が非常に重要です。 商品の品質不良・破損・説明との不一致など販売者側の原因であれば、返品・再発送の費用は販売者負担となります。 一方、購入者による住所の記入ミス・受け取り拒否・個人的な理由による返品などは、購入者自身の負担です。 一般的な手順は以下の通りです:
- 購入者が返品申請を行う
- 販売者が理由を確認し、返品先住所または対応案を提示
- 双方で返金額および費用負担を協議
- プラットフォームが手続きの進行を監督・承認
Q: 追跡番号が無効と表示される場合、国内の配送業者にはどう連絡すればいいですか?
A: AliExpressの国際追跡番号は、日本到着後に国内配送番号へ変換されるのが一般的です。 そのため、初期段階で「無効」や「該当なし」と表示されるのは珍しくありません。 多くの場合、荷物がまだ日本に到着していないか、国内配送業者のシステムに未登録の状態です。 対応方法:
- ステータスが長期間「輸送中」で止まっている場合は、日本郵便・ヤマト運輸・佐川急便などの公式サイトで番号を入力して確認します。
- 結果が表示されない場合は、販売者に連絡して末端配送業者の名称および国内追跡番号を確認してください。
- 必要に応じて、日本国内の配送業者のカスタマーサポートに国際追跡番号を提示し、照会を依頼することも可能です。
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