中国進出口業務必読:国際送料を削減し、利益率を向上させる方法
初心者でも読みやすい実務ガイド(シンプル&清新レイアウト)
はじめに
中国からの輸入では、国際送料が利益を大きく左右します。商品価格を抑えても、送料が高いと利益が圧迫されます。
実務では、国際送料が商品価格の10%〜50%超に達することもあります。ここを最適化できるかが、ビジネスの成否を左右します。
本ガイドは、国際送料の仕組みと削減の具体策を、初心者にも分かりやすく解説します。
国際送料が与える影響
利益率への直接的な影響
- 利益率の圧迫:想定外の送料で粗利が目減り
- 価格競争力の低下:価格転嫁によりシェアを失う恐れ
- キャッシュフロー悪化:運転資金の負荷が増す
適切に管理できた場合
- 安定した利益率 を確保
- 競合との差別化 が可能
- 長期成長の基盤 を構築
最も比率が高いのは国際送料(全体の60〜80%目安)。ここを最優先で最適化しましょう。
物流費の内訳(3本柱)
1) 中国国内配送料
- 工場→港/空港の配送費
- 国内物流会社の手数料
- 梱包・仕分け作業費
2) 国際送料(最重要)
- 航空/海上運賃
- 燃料サーチャージ
- 各種手数料
3) 日本国内配送料
- 港/空港→倉庫の配送費
- 通関手数料
- 国内配送業者の手数料
国際輸送方式の比較
航空輸送(スピード重視)
- メリット:3〜7日で到着/紛失リスク低/少量対応
- デメリット:高コスト(海運の3〜5倍)/危険品目の制限/重量・体積制約
課金方式:実重量と体積重量の大きい方。体積重量 = 縦×横×高(cm)÷ 5000
向くケース:緊急、高付加価値・小型、テスト輸入・サンプル
海上輸送(コスト重視)
- メリット:低コスト/大容量/制限少なめ
- デメリット:2〜4週間/天候遅延/一定量が必要
課金:LCL(混載)= 体積(CBM)または重量/FCL(コンテナ)= 20ft/40ftの定額
向くケース:定期大量、かさ物・重量物、納期に余裕
その他
- フェリー:スピード・コストが中間。日中定期航路で重量物に有効(例:上海⇔大阪/神戸、青島⇔下関、天津⇔神戸)
- 陸路・鉄道:中央アジア経由など一部で選択肢
国際送料を削減する実践策
1. 商品選定の最適化
- 軽量・コンパクトを優先(目安:1kg以下/30×20×10cm以下/価値密度が高い)
- 良い例:スマホアクセサリー、化粧品、小型電子機器
- 避ける例:家具、大型家電、重量工業品
2. 海運・コンテナの活用
- LCL(混載):1CBM以上で検討。複数商品をまとめて定期発送
- FCL:月10CBM以上なら検討価値(20ft:約28CBM/40ft:約58CBM)
3. 物流会社との契約交渉
- 数量階段の割引、年契の固定レート、ルート組合せ割引
- 時期:繁忙期前/期末/他社見積の活用
4. フェリー輸送の活用
- 緊急度中程度、海より速く空より安い、重量物と好相性
5. 代行業者・集荷サービスの活用
- 小ロットでも海運レート適用、複数仕入先を一括集荷、通関簡素化
- 選定:料金の透明性、輸送オプションの豊富さ、日本語サポート、追跡システム
コスト削減シミュレーション(概算例)
小型(1kg・化粧品)
- 航空:¥2,000 → 海運LCL:¥500
- 削減効果:-75%
中型(10kg・電子機器)
- 航空:¥15,000 / フェリー:¥8,000 / 海運:¥3,000
- 最適解:定期=海運/緊急=フェリー
大型(100kg・家具)
- 航空:¥150,000(非現実的) → 海運FCL部分利用:¥12,000
- 削減効果:-92%
※ ルートや季節(台風・年末)、燃油調整金で変動します。実手配前に最新見積りを確認しましょう。
まとめ & 次のアクション
- 送料最適化は 競争優位・利益安定・スケール の土台
- 現状分析:方式別コストの棚卸し
- 商品ポートフォリオ再設計:送料効率の高い品へ
- 物流パートナー再評価:複数社比較と契約見直し
- 定期発送計画:予測可能なコスト設計へ
自社対応が難しい場合は、輸入代行など専門サポートの活用も検討しましょう。効率的で収益性の高い体制づくりが加速します。
最後に
送料最適化は継続テーマですが、確実に成果(利益率・成長)に反映されます。本稿が中国輸入ビジネスの一助となれば幸いです。









